教育再生会議が「いじめに関する緊急提言」をまとめました。今日の1番のニュースのようで、テレビではこの緊急提言に関するコーナーがたくさん設けられていました。
教育再生会議担当室長の義家弘介氏が積極的だった加害者の出席停止措置は、いじめの未然に防ぐ抜本策を優先させるべきだ、加害者の指導はどうするのかなど議論の結果、見送られたということです。しかし、今回の「いじめに関する緊急提言」は本当に未然に防ぐための抜本策で、緊急提言という名にふさわしい内容になっているのでしょうか。
(1)学校は、子どもに対し、いじめは反社会的な行為として絶対許されないことであり、かつ、いじめを見て見ぬふりをする者も加害者であることを徹底して指導する。
(2)学校は、問題を起こす子どもに対して、指導、懲戒の基準を明確にし、毅然(きぜん)とした対応を取る。
(3)教員は、いじめられている子どもには、守ってくれる人、その子を必要としている人が必ずいるとの指導を徹底する。日ごろから、家庭・地域と連携して、子どもを見守り、子どもと触れ合い、子どもに声を掛け、どんな小さなサインも見逃さないようコミュニケーションを図る。いじめ発生時には、子ども、保護者に、学校がとる解決策を伝える。いじめの問題解決に全力で取り組む中、子どもや保護者が希望する場合には、いじめを理由とする転校も制度として認められていることも周知する。
(4)教育委員会は、いじめにかかわったり、いじめを放置・助長した教員に、懲戒処分を適用する。
(5)学校は、いじめがあった場合、事態に応じ、個々の教員のみに委ねるのではなく、校長、教頭、生徒指導担当教員、養護教諭などでチームをつくり、学校として解決に当たる。生徒間での話し合いも実施する。教員もクラス・マネジメントを見直し一人一人の子どもとの人間関係を築き直す。
(6)学校は、いじめがあった場合、それを隠すことなく、いじめを受けている当事者のプライバシーや二次被害の防止に配慮しつつ、必ず学校評議員、学校運営協議会、保護者に報告し、家庭や地域と一体となって解決に取り組む。学校と保護者との信頼が重要である。また問題は小さなうち(泣いていたり、寂しそうにしていたり、けんかをしていたりなど)に芽を摘み、悪化するのを未然に防ぐ。
(7)いじめを生まない素地をつくり、いじめの解決を図るには、家庭の責任も重大である。保護者は、子どもにしっかりと向き合わなければならない。日々の生活の中で、ほめる、励ます、しかるなど、親としての責任を果たす。おじいちゃんやおばあちゃん、地域の人たちも子どもたちに声を掛け、子どもの表情や変化を見逃さず、気付いた点を学校に知らせるなどサポートを積極的に行う。子どもたちには「いじめはいけない」「いじめに負けない」というメッセージを伝えよう。
(8)いじめ問題については、一過性の対応で終わらせず、教育再生会議としてもさらに真剣に取り組むとともに、政府が一丸となって取り組む。
この8項目のほとんどが、徹底して指導する、毅然とした態度を取る、解決に取り組むなど、曖昧な言葉で書かれています。また、内容自体も新しい考え方の基準が盛り込まれたわけではなく、緊急に提言するほどの内容には思えません。この内容であれば、今までも行ってきた学校もあるでしょうし、全国の学校で統一して指導を徹底できる明確さがありません。
また、今回の「いじめに関する緊急提言」はいじめを未然に防ぐ抜本策の優先ということですが、いじめが起きてからの対応や、処分、といったいじめが起きてからの方法が多く、それ以外についても、地域ぐるみで注意しておくといったほとんど何の効力にもならない未然防止抜本策という印象を受けます。未然防止策というのであれば、「いじめ」という行為が起きないように監視するのではなく、「いじめ」を起こす心理が働きにくい方法を研究すべきではないでしょうか。
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